【解説】強い“なでしこ”復活のワケは…2011年以来の優勝へ あの「レジェンド」に並ぶ点取り屋も『知りたいッ!』

【解説】強い“なでしこ”復活のワケは…2011年以来の優勝へ あの「レジェンド」に並ぶ点取り屋も『知りたいッ!』

サッカー女子ワールドカップで、なでしこジャパンが快進撃を見せています。グループステージを無失点で勝ち抜き、5日には決勝トーナメント1回戦も勝利しました。2大会ぶりのベスト8進出も果たしています。

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●“低迷期”脱出のカギ
●世界一へのキーパーソン

以上のポイントを中心に詳しく解説します。

■W杯ベスト8 なでしこジャパン快進撃

先月20日に開幕した今回のワールドカップ(W杯)。世界ランク11位の日本は、グループステージを無失点で全勝しています。世界ランク6位のスペインにも4対0で圧勝するなど、世界が驚く強さを見せつけました。

そして、5日の決勝トーナメント1回戦(対ノルウェー)での1失点が、今大会“初めての失点”です。2大会ぶりにベスト8進出を果たしたというところです。

今大会のなでしこジャパンには、見ていて負ける気がしない安定感のある強さを感じます。メンバーも若手からベテランまで仲がよさそうで、見ていて応援したくなるチームと感じる人も多いのではないでしょうか。

■なでしこジャパン“あの栄光”から12年

2011年のW杯で優勝を飾ったなでしこジャパン。これで一気に注目されました。この時には「東日本大震災から復興しようとしている全ての国民に勇気と感動を与えた」として国民栄誉賞を受賞しました。また「なでしこジャパン」というチームの愛称自体が、その年の「新語・流行語大賞」の年間大賞にも選ばれました。

そして次の大会、2015年のW杯も準優勝と、華々しい結果をおさめました。

しかし翌2016年のリオ五輪への出場を逃したあたりから「あれ?」という感じに…。それまで優勝、準優勝と続いただけに期待された結果が出せず、2019年のW杯では決勝トーナメントの1回戦で敗退します。

さらに2021年の東京オリンピックでは自国の開催でメダルも期待されましたが、残念ながらベスト8で幕を閉じました。期待が大きかっただけにプレッシャーや、世代交代の難しさなど、理由はいろいろあったかもしれません。

しかし、その東京オリンピックからわずか2年でなぜ、これだけの強さを見せつけるようになったのでしょうか。

■池田太監督 強い“なでしこ”復活の立役者

その理由の1つとして“監督”という要素が大きいのではないか、といわれているそうです。

池田太監督、52歳。2017年以降、U-19(19歳以下)やU-20(20歳以下)の日本女子代表監督を務め、U-20女子W杯では2018年に優勝、2022年は準優勝に導いています。

なでしこジャパンの監督は兼任するかたちで、2021年から務めています。

そして今回のなでしこジャパンには、23人の選手のうち、U-20女子W杯での優勝組が7人、準優勝組が3人が入っています。池田監督の指揮の下、世界のトップを経験した選手が10人もいるわけです。

ということは、若い頃から知っている選手が多いということ。プレイの相性だったりメンタルだったり、そういうところもよくわかっているからこそ、効果的な起用ができるのかもしれません。

今回、若い世代や新しい戦力も多い中、どんな注目の選手がいるのでしょうか。

■優勝へのキーパーソン 今大会5得点の宮澤ひなた選手 あのレジェンドに並ぶ

再びの“W杯優勝”へ。そのためのキーパーソンが、宮澤ひなた選手(23)です。宮澤選手も、いわば“池田チルドレン”の1人で2018年のU-20女子W杯での優勝経験者です。今大会が初めてのW杯ながら、すでに5得点をあげています。

“W杯1大会で5得点”というのは日本選手の最多記録で、澤穂希さんと並んでいます。大会公式SNSも「なでしこのレジェンドの足跡を追いかけている」として、宮澤選手と澤さんの写真を合成して投稿していました。

今後、優勝を目指して勝ち進んでいく中で、澤さんの記録を超えるかもしれない逸材です。

■夢の原点は2011年の優勝 ヘアバンドは川澄選手をまねて…

ちなみに宮澤選手のトレードマークがヘアバンドです。幼い頃は男子チームでプレイしていたため、男の子に間違われることが多かったといいます。だから「女の子だとわかってほしい」という理由で、2011年のW杯優勝メンバーだった川澄奈穂美選手がしていたピンクのヘアバンドをまねしてつけたのがきっかけだそうです。

今年6月、大会が始まる前のインタビューで、宮澤選手は次のように話していました。

宮澤ひなた選手(23)
「5年生の時に2011年なでしこジャパンが優勝したのを実際にテレビで見ていて『自分もここに立ちたいな』って強く思ったのが、夢が明確になった瞬間だったかなと覚えています。世界の舞台でもう一度なでしこジャパンが優勝して、サッカーを通じてたくさんの方々を笑顔にできたらいいなという思いはあります」

2011年の優勝を見た子どもたちが大人になり、いまW杯で活躍しています。いままで種をまき水をやり育ててきた女子サッカーの花が開いたところといえるでしょう。

次の試合は11日です。
(2023年8月7日放送「news every.」より)

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